結論: 確実に頼れる形では、できません。AIチャットアシスタントは、貼り付けた数件のメッセージなら読めます。しかしTelegramのエクスポートでは、話した内容はボイスメッセージ1件につき1つの別々の音声ファイルに収められており、実際のトークにはそれが数十件から数百件も含まれています。さらに、長いトークは要約されたり、途中で途切れたりします。すべてのメッセージとボイスメッセージを1つのドキュメントにまとめたい場合は、エクスポートファイルを1ファイルずつ処理するツールをお使いください。
Telegramのエクスポートに含まれるもの
Telegramのスマホアプリには、トークをエクスポートする機能がありません。パソコンの Telegram Desktop なら可能です。トークを開き、⋮ → Export chat history をクリックして、含めたいメディアにチェックを入れ、形式を選びます。すると、ChatExport_ に日付が付いた名前のフォルダが作成され、次のものが入っています。
result.json(機械可読のJSONを選んだ場合)、またはmessages.html、messages2.htmlなど(1ページにつき1,000件のメッセージ)voice_messages/:ボイスメッセージ1件につき1つの.oggファイル(例:audio_12@14-03-2024_18-40-01.ogg)round_video_messages/、photos/、video_files/、files/:その他のデータ
ボイスメッセージが送信された箇所には、トークのファイルに音声ファイルへの参照が記されているだけです。話した内容は .ogg の中にしかなく、他のどこにもありません。エクスポート時に Voice messages にチェックを入れなかった場合は、ファイル自体が存在せず、エクスポートには「含まれていません」と表示されます。
チャットボットでは足りない点
- 見えるのはファイルパスだけで、音声は聞き取れません。
result.jsonを読んでも、AIはボイスメッセージの存在を知るだけです。フォルダ内のすべての音声ファイルを開いて処理できない限り、内容は聞き取れません。 - 長いトークは収まりません。 1年分のメッセージは数千件にのぼります。チャットでの返信には実質的なサイズの上限があるため、AIは途中を要約したり、一部を飛ばしたり、途中で止まったりします。
- 構造が失われます。 Telegramには、返信、転送、編集、リアクションが記録されています。要約するとそれらはすべて平坦になってしまいます。記録として使うには、「#12への返信」や「転送元」を、正しいメッセージの横に残す必要があります。
- 言語の問題があります。 Telegramはロシア語、ウクライナ語、ペルシア語、ウズベク語などで盛んに使われ、複数の言語が混ざった会話も少なくありません。ボイスメッセージは話された言語のまま書き起こし、さらに翻訳も必要になることが多くあります。
うまくいく方法
- ボイスメッセージにチェックを入れてエクスポートします。可能ならJSON形式がおすすめです(編集も記録されます)。そのうえでフォルダをZIPにまとめます。
- エクスポートの構造に沿って処理します。 トークを1メッセージずつ読み、それぞれの参照先のファイルをたどり、ボイスメッセージを1件ずつ個別に音声認識モデルへ送ります。こうすれば、3,000件目のメッセージにも3件目と同じ丁寧さで対応できます。
- 原文を最優先で残します。 翻訳は、原文のメッセージと各文字起こしの下に載せます。原文の代わりにはしません。
- 出どころを記録します。 エクスポートファイルのSHA-256フィンガープリントがあれば、そのドキュメントがどのファイルから作られたのかを、後から誰でも確認できます。
TelegramチャットをPDFに変換ツールは、まさにこの方法で処理します。ZIPにしたエクスポートをアップロードすると、最初のメッセージを、ボイスメッセージを文字に起こした状態で無料で確認できます。トーク全体を1つのPDF(テキストファイルとスプレッドシートファイルも付きます)で受け取るには、一回払いの$5だけです。
PDFを弁護士や裁判所に提出する場合
ソフトウェアが作成した文字起こしは、読みやすい記録であって、認証された証拠ではありません。チャットの証拠については、裁判所や行政機関がそれぞれ独自の規則を定めており、認証翻訳を求められることもあります。エクスポートしたフォルダには手を加えず、フィンガープリントを控えたうえで、必要なものを弁護士にご確認ください。